無申告のUberEats配達員は税務署にバレる?

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2021.11.22

今年6月に東京国税局は飲食宅配サービス大手Uber Japan株式会社(東京)に対して配達員への報酬などについての情報提供を求めました。

配達員は契約上、Uber社に雇用されているわけではなく業務委託契約による個人事業主として扱われています。

そのため雇用されていれば源泉徴収によりUber社が配達員に代わりに税務署等へ納税してくれますが、

個人事業主扱いのため配達員は原則確定申告が必要になります。

しかしながら配達員の中には確定申告をしていない人も多くいるといわれています。

もし後で無申告が発覚し、かつ故意に納税を免れる意思があった場合には、

「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、または、その両方」が課されます。

このように無申告には厳しい罰則規定が設けられています。

そこで今回はウーバーイーツやWolt、didi、出前館などのデリバリーサービスの配達員の方の確定申告について取り上げてみたいと思います。

税務当局がUber配達員の情報提供を求めた

UberEats配達員の登録者は約10万人いるといわれています。

東京国税局は今年の6月にUber社に配達員に関する情報提供を求めたとのことですが、

具体的に税務当局にどのような情報が提供されたのでしょうか。

朝日新聞の記事によると

同国税局は配達員の住所、氏名、2019年の取引額(報酬額)、銀行口座――などの情報提供を求めたという。

これらの情報をもとに、同国税局は配達員が適正に確定申告しているか確認するとみられる。


国税当局は強制捜査権も持っていますが、その前に事前調査による情報収集をします。

現在コロナ禍のため直接的な税務調査は控えられていますが、代わりにこのような情報収集による調査の時間に充てられています。

アフターコロナでは控えられていた税務調査も感染状況が改善され次第順次開始される見込みですので、

配達員による収入がある人は今後の税務調査や実態調査に備えるためにも今年確定申告が必要になるか検討しておかなければなりません。

配達員の確定申告

それでは配達員の確定申告はどのように行えばよいでしょうか。

まず確定申告とは1月1日から12月31日までの所得を翌年の3月15日までに所轄税務署に申告することです。

会社員の場合は給料から所得税は源泉されており、会社が代わりに税務署に納税しているため確定申告する必要はありませんが、

個人事業主や副業による所得が一定以上の金額に達した場合には確定申告が必要になります。

それでは項目別に見ていきましょう。

Uberの売上

青色申告の場合には各月ごとの売上金額を把握する必要がありますが、

白色申告の場合は一年間の合計の売上金額が把握できれば問題ありません。

売上の内訳は以下の通りですが、それぞれ種類ごとに分けて申告書に記入する必要はありません。

・送迎の売上

・ブースト

・プロモーション

よくある間違いとしては、入金時点ではなく売上時点で収益認識し申告書に記載することになります。

例えば12月に配達、翌年1月に入金された場合、入金時点は翌年1月であったとしても、

配達時点が12月のため12月の売上に計上することになります。

経費になるもの

・自転車等購入金額

・燃料費

・保険料

・通信費

・会計ソフト利用料

・配達用のバッグ等の消耗品費

上記に係るものであれば経費化可能です。

もちろんプライベート分は経費にできないのでその分は控除する必要があります。

事業所得か雑所得か

事業所得で青色申告の場合は税務メリットとして青色申告特別控除を受けることができます。

この青色申告特別控除は、事業所得のみに適用され雑所得には適用されません。

事業所得か雑所得か判断がつきづらい方もいるかと思いますが、過去の判例から

事業所得と雑所得の所得区分については、過去の判例で「営利性、有償性の有無、継続性・反覆性の有無、自己の危険と計算における企画遂行性の有無」等を総合的に検討して判断するとされています。

ざっくりいってしまうと生計を維持する主たる目的としてUberEatsの配達員をしていれば、本業ということで事業所得。そうでなく別の仕事と掛け持ちをしており、平日夜や土日などの時間を利用して配達員をしているような場合には雑所得に該当することになるかと思います。

確定申告の有無

どのみち本業として配達員をしている方は基礎控除の48万円以上の所得(売上-経費)となると思いますので、確定申告が必要になる場合が多いです。

一方で副業として配達員をしている場合には本業の所得以外の配達に係る所得が20万円を超過する場合には確定申告が必要になります。

個人事業主の節税対策

個人事業主ができる節税対策について簡単に紹介します。

青色申告

青色申告承認申請書を税務署に提出し、正しく帳簿付けを行うことで青色申告特別控除などの各種特典を受けることができます。

この場合etaxによる電子申告をすることで最大65万円の所得控除を受けることができます。

青色申告承認申請書のフォーマットはこちら

小規模企業共済への加入

経済産業省傘下の独立行政法人中小機構が運営する小規模企業共済と呼ばれる個人事業主のための積み立てによる退職金制度があります。

この小規模企業共済への毎月の掛け金(上限7万円)を所得控除として利用することができます。

iDeCoへの加入

個人型確定拠出年金への掛け金についても小規模企業共済と同様に所得控除の対象とすることができます。

法人成り

売上から経費を引いた所得が500万円を超えてきたら法人化も視野に入れましょう。

法人成りの手続きについてはこちら

まとめ

今回UberEatsの配達員に関する所得情報について税務署から情報提供が求められている件について見ていきました。

確定申告は売上経費の集計→所得の計算→申告書の作成という流れで進んでいきます。

確定申告についてはやったことがないという方も多くいらっしゃると思います。

当事務所では個人の確定申告が初めての人でもわかりやすく、丁寧にサポートさせていただいております。

UberEatsだけでなく配達員周りの税金でお困りのことがありましたらお気軽にお問い合わせください。